パーソナルトレーナーに資格は必要か?
執筆者:祖父江誠
職業:パーソナルトレーナー
保有資格:全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
経歴:2022年3月、名古屋市瑞穂区にパーソナルトレーニングジム
CALORIE TRADE JAPAN 瑞穂区店を出店。
さらに詳しい経歴はコチラ
ひさしぶりに筆をとります。
新瑞橋駅から徒歩1分の所にある「CALORIE TRADE JAPAN 瑞穂区店」です。
新年度にもなりまして今回は新しくコラムを執筆させていただきます。
本日のテーマは「資格」についてです。
つい先日になりますがこのような記事が散見されました。
ケガや健康被害などの深刻な問題も…。無資格・未経験パーソナルトレーナーに警鐘。
内容としましては「最近パーソナルトレーニングのサービスによるトラブルがここ最近で急激に増えているため、トレーナーの選択は慎重に行いましょう…」
と言う内容です。
非常に興味深く、現在進行形で業界の中に身を置いている自分にとっては非常に重く受け止めなければならない内容だと感じました。
ちなみに私自身は上記プロフィールにもあるように業界内で一般的に権威のある資格を取得し、日々の業務にあたっております。
ただ資格を取得しておらず、無資格で業務を行なっていた経験もありますので、どちらの視点からも有用な内容が執筆できるかと思いますのでぜひ最後までご覧下さい。
パーソナルトレーナーに資格は必要か?
前提として「パーソナルトレーナー」という職業に資格は必要でしょうか?
結論はNOです。
パーソナルトレーニングは士業・医療など、国家資格の有資格者のみが行える「独占業務」ではないため資格がなくても業務を行うことは何ら違法ではありません。
上記の記事をタイトルだけ拝見すると「無資格」が違法であるかのような印象を受けるのですが、そんなことは全くなく無資格でも素晴らしいトレーナーさんはいますし、有資格でもトラブルを起こしてしまうトレーナーは現実にいます。
ですが質問を変えて「パーソナルトレーナー」という職業に資格は「大切」でしょうか?
このように質問を変えると、個人的な答えとしてはYESになります。
ですがこれは「資格」そのものに価値があるのではなく、「資格を取得するまでの勉強」が一番大切であるという意味での提言です。
別に「資格」がなくとも豊富な知識を持っていたり。素晴らしい対応をするトレーナーさんはいます。
ですが「資格」というのは、「勉強の証明」になります。
勉強の有無は問わず、資格を有しているということはその分野の知識において一定の素養があることを対外的に証明することが可能です。
逆に知識があっても、資格がなければ、知識の有無というのはその人の主観的な評価基準に左右されてしまうので、極論全く知識がなくとも「その分野の勉強を行った」と言えてしまいます。
(このあたりは同業者であれば判別できるのですが、一般消費者では同じく知識がない為に判別が難しいと思います💦)
この「勉強の過程・知識の有無」を根拠づけるために「資格」というものがあります。
また自分が主導権を持った勉強というのは、自分の好みに知識が偏ってしまう傾向が強いです。
業務の中で必要になる知識は実は一つに特化した内容ではなく、幅広い分野に触れていることが求められます。
しっかりとその業務に必要な分野の知識に触れている事と一定の知識量の証明になりうることが出来るために、
「資格」というものはパーソナルトレーナーにとって大切な要素となります。
シンプルに「資格」を取得して自身の業務に役立てようという姿勢はどの職業人にとっても大切な事だとも思えます。
今ある知識だけで、精一杯目の前の仕事をこなしていくのも非常に大切ですが、その中で少しでもお金と時間を使って未来に向けた勉強を積み重ねている人間の方が将来的に良いサービスを提供できると思いますし、僕がパーソナルトレーニングを受けるならそのようなトレーナーさんにお仕事をご依頼したいです☺️
パーソナルトレーナーにはどんな資格があるの?
「パーソナルトレーナーには資格が必要ではないが大切である」と先述しましたが、資格というものは民間資格であれば星の数ほどあります。
さらに取得難易度もバラバラです。
極論ですが、お金だけを払えば全く勉強しなくとも取得できる資格もあります。
実際に僕もプロフィールには載っけていませんが数個持っています。
上記のような資格には資格の本質的な価値である「資格を取得するまでの勉強」がないので取得する意味はかなり薄いものと言えます。
そこを判別するために業界的に認知が広くある程度権威のある資格を紹介しますので、トレーナー選びの参考にして下さい。
1.NSCA
一つ目がNSCAです。
NSCAは海外の団体でストレングス&コンディショニング、トレーニングと身体のパフォーマンスを向上させる事の分野に重きを置いております。
NSCAの使命は「科学者と指導者との橋渡し」と謳っており、研究論文や化学的エビデンスに基づいた知識の証明になります。
ちなみに自分が取得しているのもこのNSCAです。
2.NESTA
二つ目がNESTAです。
NESTAも本部が海外にあり、使命として「健康をサポートし明るい未来を創造するパーソナルトレーナーを育成します」と掲げております。
先述したNSCAとは一風変わり、研究者よりも指導者の育成に重きを置いている印象で幅広い知識やビジネス・コミュニケーション・心理学等の知識をパーソナルトレーナとして活動に必要な範囲で勉強している知識の証明になります。
3.JATI
3つ目がJATIです。
JATIは海外ではなく日本の団体で実は発揮はこの名古屋が拠点らしいです。
若干NSCAに近い分野(ストレングス&コンディショニング)の勉強がメインですが、一般の方を対象とするフィットネスよりもスポーツアスリートの競技力向上を目的としている部分が大きい団体です。
ここで紹介している資格は全てそうですが、JATIは日本の団体という事もあり日本のスポーツ専門学校などで積極的に資格取得を推奨される資格です。
4.健康運動実践指導者・健康運動指導士
最後は健康運動実践指導者・健康運動指導士です。
この資格は「国の健康づくり施策」を推進する目的として「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が発足したものであり、
上記3資格と同じ民間資格ながらも厚生労働省や文部科学省にも認知があり、取得者は介護や医療との連携が強い資格です。
その分、一般の方を対象としたフィットネスよりも健康づくりという部分に着目したメディカル分野の知識が資格取得に求められます。
取得者もパーソナルジムというよりは一般のスポーツクラブやリハビリ施設、メディカルフィットネスジムで従事している方が多い印象です。
上記4つの資格については、どれも運動指導者の業界で認知が高く一定の権威もある資格です。
それぞれ専門分野はありますが、基本的にはどの種目もパーソナルトレーナーを行うにあたって最低限の知識や指導力・経験の証明には十分になり得ます。
最後はトレーナーさんとのフィーリングも楽しく運動を行なっていくにあたっては大切な要素ですので、ぜひ今回ご紹介した「資格」という部分も参考にパーソナルトレーニングを検討してみて下さい。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました☺️